新春のお慶びを申し上げます。
年末から年始にかけて6日間の休みでしたが、皆様にとって頭の中を切り替えるリフレッシュ休暇になったのでしょうか。久しぶりに家族揃って楽しい時間を共有出来たという人も多かったと思います。でも女性は人が集まると食事の準備や接待で大変ですね。
いよいよ2016年がスタートしました。新たな年を迎え、職員や復興のために支援していただいている皆様方も、凛とした空気の中で心に期するものがあったことと思います。
私たちは原発事故という、人間が作ったもので自らコントロールできない災害に遭遇し避難生活をも経験してきました。そして現在復興に向け歩みを進めておりますが、課題は山積しております。これまでの地域のあり方や価値観までも見直し、新たな生き方や新しい村づくりが求められています。それは、変革そのものではないでしょうか。未来から与えられた使命と責任だと思っています。
「復興のフロントランナー」と言われてきましたが、そんなことはどうでもいいと思っています。どこかが最初に始めればどこだってフロントランナーに成り得るわけです。たまたまそれが川内村であっただけのこと。そんなことより私たちは、理想とする近未来の姿を思い描きながら、今、目の前にある現実を一つでも、少しずつ、少しずつ変えていく「変革者」でありたいと思っています。そのことが川内村の未来を創っていくことになるのではないでしょうか。
では、その変革者たる我々が2016年に何をするのか?
一つは、未だ避難指示が解除されていない荻・貝の坂地区の解除に向けた方向性をどう示すことができるか、が最大のテーマだと考えています。現在準備宿泊を継続していますが、今月中に住民との懇談会を計画しています。問題解決のためにしっかり話し合いをしていきたいと考えています。
二つ目は、仮設住宅・借り上げ住宅の制度が2017年3月で終わります。制度がソフトランディングしようとしている時に、避難している住民にどう寄り添っていけばいいのか。極めて個人的な問題も含めて、今から充分住民と話をしていかなければならないと考えています。
三つめは、現在63%の帰村率ですが、今年中に7割を超える村民が自分の意志でふるさとに戻ってきてくれることを願っています。そのためにも前述した二つの課題にしっかり向き合いながら、あわせて新年度には女性や子供たち対する施策の充実を図っていきたいと考えています。牧歌的な雰囲気のこの川内村をもう一度ブラッシュアップし、川内村のアイデンティティを子供たちに伝えていきたいと考えています。
「未来とは今である」僕の好きな言葉の一つです。この川内村の未来はいずれ来るのではなく、すでに始まっています。未来は私たち一人一人が手を取り合って創っていくものです。職員の目の輝きが川内村の輝きであり、そして未来です。
2016年、皆様のご理解とご協力をお願い申し上げ仕事始めの訓示と致します。