
一般村民向けに帰村や除染の説明会・懇談会を開催。更に保育園・小中学校・高校生保護者を対象とした懇談会も実施している。全ては現在村を離れ全国各地に避難し、仮設や借上げアパートなどで辛い不自由な生活している村民が、3・11以前の生活を取り戻すことが重要と考えている。中にはもはや村内での生活を諦め、新たな土地へ移住し生活を始めている人たちもいる。その方たちにもできるだけ支援をしていかなければならない。しかし、多くの村民はふるさと川内村に戻り元の生活を再生することを強く望んでいる。その思いを叶える為には、何よりも放射線レベルを健康被害が及ぼさない範囲まで下げる除染が大切。
説明会や懇談会で、「年間積算線量1ミリシーベルト以内でないと帰らない」という意見があった。いつの間にか数字が独り歩きしている現実を突きつけられた。文科省によると1ミリシーベルト以下は努力目標、限りなく1ミリシーベルト以下を目指すと言っている。細野原発事故担当大臣・環境大臣も同じようなことを発言しているし、専門家の間でも、被爆限度である年間1ミリシーベルトを目指すべきだ、という点で意見が一致している。数字が独り歩きし除染を進めている現場が翻弄されている。解消していくためには当然国の丁寧な説明が必要である。
11月26日ICRP福島セミナーに参加したが、その会議の中でジャック・ロシャール委員は「20ミリシーベルトまでの幅をとっても健康への影響はまずない。住民の意見を踏まえ段階的に下げるべき」と言っている。また丹波京都大名誉教授は、「1ミリシーベルト以下にこだわるといつまでも故郷に戻れない」と話している。つまり安全基準の線引きの数値ではないと説明している。
チェルノブイリ原発事故の被害を受けたベラルーシとウクライナの健康調査によると、100ミリシーベルト以上の放射線ではがんになる確立が高まることが立証されている。しかし、100ミリシーベルト未満ではその因果関係は解明できていない。また12月5日日経新聞の科学技術欄によると、低線量被爆での健康被害に関する知見や研究事例が少なく、今後詳細な測定による放射線量や健康状態のデーターを積み重ねていく必要があると言っている。しかし線量に比例してリスクが上がると想定して、なるべく被爆を抑えることは重要だと付け加えている。