「決算議会」
平成23年度の一般会計当初予算は26億6千万円、可決決定していただいた5分後に震度6弱の地震を議場で体験した。震災による原発事故で本村も避難を余儀なくされ、全村避難と共に行政機能も移転し、避難者の安否と生活支援に全力を注ぎながら平成23年度がスタートした。
決算内容を見てみると、被災者特例により村税や使用料、手数料は減免処置、当然自主財源が減額となった一方、震災復興特別交付税や復興交付金、除染などの復興関連支出金や寄付金等の収入が有り、最入総額で約60億円に膨れ、当初予算より2倍以上の歳入となった。
歳出の主なものは、行政機能移転に伴うOA機器導入リース料情報システム保守業務料の増加、各種交付金や補助金、寄付金等をそれぞれ目的基金に15億5千万円。次に除染関連事業や被災した役場庁舎の応急復旧、災害復旧事業費等に15億円。災害救助生活費や災害救助保護児童生徒援助費、災害遺族扶助、仮説コミュニティーセンター建設費などの民生費に9億5千万円。公債費は3億3千万円。基金は財政調整基金11億円を含む基金合計38億6千万円。
財政分析指数では、実質公債火負担比率単年度5.1%、3年平均6.7%、経常収支比率96.6%、財政力指数0.284。投資的経費が激減し義務的経費が増加したことで硬直化しているが、公債費比率を見ると安定的な運営していると言えるかもしれない。今後においては、人口減少や高齢化がより一層進む中で、村税等の自主財源減少が危惧されるため自主財源収支均衡を調整した財政運営が課題だ。
総括してみると、投資的経費を大幅にカットした中での歳入60億円の確保は、震災直後避難している中での予算獲得だけに評価されてもいいのではないだろうか。事業取り付けのため国県との協議にどれだけ時間を費やしてきたか、職員のその努力と粘りは称賛に値する。
事故対応の一環として減税減免を実施してきた経緯があり、そのことにより特別措置として交付税や交付金が増額されてきた。減税減免した分消費に回され地域景気の刺激剤となればいいのだが、現状ではそうはいかない。反面行政サービスや公共事業に回せなくなる分、雇用が悪化し地域経済が低迷する可能性がある。しかし幸いなことに除染や復興事業などによって、ここ1~2年は凌ぐことができると思うがそのあとの保証はない。
基礎自治体がコスト意識を高め行財政改革の努力をし、政策的予算や投資的予算を確保しながら、さらに村債を減らそうとしているのは、後世に出来るだけ負の遺産を引き継がないよう健全に存続させようとしているからである。また地方交付税を受けながら減税減免して歳入を減らすことになれば、そのつけを将来に先送りすることになる。これはモラルハザードと言われても仕方がない。
亡くなった井上ひさしは、「政治とは端的に言えば国民から集めた税金や公有財産をどう使うかということだ」と言っている。極めてシンプルで分かりやすい言葉だ。彼の言葉を借りれば予算は政治そのものと言える。「入を計りて出を制する」、財源を確保しながらどこに手厚く、何を我慢し何を捨ててどんな将来を目指すのか。その配分は村の形の具現化であり、僕の政治姿勢そのものが問われる。