本日より2名の新しい戦力が加わった。私たちは先人から多くのことを学んできた。その中の一つに人材育成の大切さを教えられてきた。未知なる可能性を秘めた二人。先人の教えをしっかり引き継ぎ、しっかり育てていってほしい。
さらに復興庁から藤元さん、福島県から加賀谷さん、ふくしま支援機構から白井さんが加わった。問題解決のために最大限のお力添えをお願いしたい。
また、合わせて異動辞令を交付した。好き嫌い、苦手なポジション、あの人の下では、と思った人もいるかもしれない。しかしとりあえず新しい環境に飛び込んでほしい。意外な面白さに気づくかもしれない。人間関係が広がるかもしれない。発想を転換して目の前の仕事に全力で向き合えば、新たな境地が開けるかもしれない。仕事を通して自分磨きをしてほしい。
さて、役場機能を戻して3年目を迎える。戻った村民は約半数。職員はそれぞれどう評価しているのか。この3年間自らも被災した状況下でよくやってくれたと思う。だからこそ現在の状況が存在している。今年度は、旧警戒区域の解除に向けどのような方向性を示すことができるか、が最大のテーマだと考えている。3年目の復興への取り組みとして3点について訓示した。
第1点は、職員自身が近未来の村をどうしたいのか?どんな村なら職員自身が戻り住みつづけることができるのか? イメージしてほしい。
僕は、残念だが3年前の川内村には戻らないと思っている。と、するならば今までとは違う新たな村づくりを進めていきたいと考えている。10年後20年後、その時代に合った川内村をイメージしている。都会の様な便利さや機能性ではないが、自然豊かな山間、牧歌的な環境の中で、すこやかに生まれて、すこやかに生活して、穏やかに年を重ねて、穏やかに最後の瞬間を迎える、人口5千人程度の村にしたいと考えている。
2点目は、「できること」「できないこと」を明確にするタイミングではないか。
郡山市やいわき市のような都会のサービスを求められても無理。全てのものを川内村で整えることは不可能であり、郡山市やいわき市になれないしなりたいとも思わない。それを補う手段はいくらでもあるに違いない。職員や村民と一緒に考えていきたい。地域はお金がないから疲弊するのではない。行動しないから疲弊していく。嘆いていても現状は何も変わらない。ということを今回の原発事故から学んだ。
3点目は、リスクを恐れてはいけない。
何か新しいことをやるときには、常にリスクがつきまとう。リスクがあるからリターンがある。リターンだけあることなどない。役場職員は村のシンクタンクだ。変化をリードするのが職員。やるリスクを取れない職員は、変化をつくり出すことはできない。今年度は新たに3名が課長職、6名が係長職に就いた。「やるリスク」「やらないリスク」、リーダーがやらないリスクを取ると、そのチームは「やらない者勝ち」になる。「新しいことをやってみよう」と言うリーダーが、ついていきたくなるリーダーだと思う。最後の責任は僕がとる。
小さな実践の積み重ねが、新しい川内村を創造していくのだと思う。力を合わせてこの難局を乗り越えていこう。力をお貸しください。