福島大学・中井学長はじめ関係者の皆様にご出席をいただき、福島大学奨学金寄付贈呈式を行った。これまで川内村は、原発事故からの復興を進めていくプロセスで福島大学から多くの支援を受けてきた。例えば、福島大学未来センターのいわき・相双地域支援として川内村にサテライトの設立、専任スタッフの派遣常駐していただき、除染や復興のためのサポート、提案をしていただいた。現在も継続していただいている。
更に文科省において採択になったCOC事業の「むらの大学」のフィールドワークでは、学生の皆さんが村内で寝食をともにしながら、住民と直接触れ合い、様々なイベントに参加しスタッフとして協力していただき、6次化の提案やマネジメント、伝統芸能保存などの提言をもしていたいた。
お陰様で現在8割の村民が戻って生活を再開できるまでになった。あの当時、不安の中帰村した住民にとって、大学やその学生の存在に、どれだけ勇気づけられたか分からない。人通りが少ない村の中を学生が闊歩している姿を、どうか想像してみて下さい。あの時の震えるような感動を忘れることができない。
あの日から7年が過ぎ、少しずつ復興がソフトランディングしている今、川内村はセカンドステージに立っていると認識している。急激な人口減少と超少子高齢化社会、そして復興の反動減など新たな課題に直面しながら、復興の先にある新たな村づくりをイメージしている。
人は、与えられることに慣れてくると壁にぶつかったとき、自分で解決しようとする意欲が減退していってしまう。これまで支援される側、与えられる側であった川内村が、今後自分の意志で自分たちの未来を切り拓いていこうと思っている。そのサポーターとして福島大学の協力支援は不可欠だと考えている。どうか寄付の主旨をご理解いただき、今後ともご指導賜ります様お願い申し上げます。