



川内小中学園と併せて幼保連携型認定こども園「かわうち保育園」が開園した。小中学生の声や姿を感じながら、一緒の空間で学び遊ぶことができるようになった。旧園舎に、ノスタルジックなものを感じている人もいるかもしれないが、少人数という社会的背景に柔軟に対応してきたと考えている。
これまでの園舎と比べて広いスペースを確保し、とても機能的になっている。採光や床暖房など空調にも心配りを感じ、全体的に明るい。各保育部屋にはそれぞれトイレとシャワーが完備されており、いざという時に他の子供たちに目配りしながら、用を足すことが可能となった。
部屋のいたる所に木材が使われており、樹の香りが気持ちを落ち着かせてくれるに違いない。庭に目を向けると、南向きの明るいスペースに遊具が配置され、中央部には築山が築かれ、周りは人工芝と天然芝で囲まれており、遊び心を満たしてくれる。道路側には砂場も設置されている。
砂場を見て思い出した言葉がある。「人生に必要な知恵は、全て幼稚園の砂場で学んだ」、アメリカのエッセイスト・ロバートフルガムの言葉だ。世界中で翻訳されベストセラーになった本なので、読んだことがある職員もいると思う。「三つ子の魂、百まで」、幼児教育の重要性を解いた言葉ともとれるが、基本的には人間の生き方や振る舞い、心構えを言い当てている言葉でもある。
前文にはこう書かれている。
「人間、どう生きるか、どのように振る舞い、どんな気持ちで日々を送ればいいか、本当に知っていなくてはならないことを、私は全部残らず幼稚園で教わった。人生の知恵は大学院という山のてっぺんにあるのではなく、日曜学校の砂場に埋まっていたのである」
さらに、次のように続いている。
「私はそこで何を学んだろうか。何でも皆で分け合うこと、ずるをしないこと、人をぶたないこと、使ったものは必ず元に戻すこと、散らかしたら自分で後片付けをすること、人のものに手を出さないこと、誰かを傷つけたら、ごめんなさいと言うこと、食事の前には手を洗うこと、トイレに行ったらちゃんと水を流すこと、・・・・」、最後は「不思議だな、と思う気持ちを大切にすること」、で結んでいる。
まさに、これから生きていく上での人生哲学なのだろうね。決して欲張らず分かち合い、現在あることに感謝し、全てのものを大事にして共生していくことの大切さ。さらに大人になってもコミュニケーションをとるのに苦労している人がいるよね。自分の考えや思いを相手に伝えることができないと、どうなるのか。暴力的になり、また反対に引き籠りになるケースも出てくる。コミュニケーション能力も他人を思いやる利他の心も、幼稚園の砂場遊びの中で教えられてきたのかもしれない。
イギリスのブレア元首相は、「就学前の読書量がイギリスの未来を決める」と言っている。幼児期における読書の重要性を解いた言葉だ。砂場遊びと読書で「心ある頭脳者」を育んでいきたい。