7日、富岡高校川内分校の吉田啓一郎分校長がニコニコしながら村長室に入ってきた。
「村長、分校生K君とIさんがそれぞれ埼玉大学経済学部、福島医科大学看護学部に合格しましたよ。よくやってくれました。」 テレビや新聞、マスコミに取り上げられて想像以上のプレッシャーがあった中での合格、本当におめでとう。
9月に行われた学園祭「紅葉祭」の様子がFCTで放映された。廃校の危機に揺れる分校を、何とか存続させようとする生徒達の姿が映し出され、その中心にいたのが生徒会役員を務める二人だった。二人の他にも、私立大学、高等看護学校にそれぞれ1人合格、2人が専門学校に合格している。就職組みも負けていない、9人全員内定をもらっている。 結果を出すことによって自分達の姿が評価され、それが分校存続へと繋がることを彼らは知っていた。そしてそのプレッシャーの中でその答えを出してくれた。こんな嬉しいことはない。分校長から報告を受けて目頭が熱くなった。
そこには吉田分校長をはじめ先生方の理解があって成しえた事であり、卒業していく彼らには大きな自信に繋がると思う。また、1,2年生の後輩にとっても夢が現実になることを実践してくれた。 希望者に授業のはじまる前の早朝と放課後の課外授業をスタートさせ、進路に向けて個別指導を徹底して行われた。英語や数学、さらに就職を希望する生徒には一般常識問題などにも取り組ませた。
「川内の子供だから出来たんですよ。やる気があって素直な子供たちです。」、と分校長はさらりと言う。出てくる言葉から教師としての情熱を感じる。学校もトップマネジメントで変わることを教えてくれた。